みなさん、こんにちは。華山です。
広東語は主に香港で話されている言語ですが、一体どういった言語なのかはっきりと知っている人は少ないのではないでしょうか。
また、みなさんの中には広東語を勉強したいと思っている人もいますよね。
そこで今回は広東語がどういった言語なのかを解説するとともに、広東語の勉強方法についてご紹介します。
広東語の簡単な挨拶
広東語の簡単なフレーズをご紹介します。
- こんにちは(你好):ネイホー(nei5 hou2)
- ありがとう(多謝/唔該):ドージェ(do1 je6)/ムゴーイ(m4 goi1)
- おはよう(早晨):ゾウサン(jo2 san4)
こんにちはは、ネイホーです。
一方でありがとうは2つ言い方があります。
物をもらった時にはドージェ、何かしてもらった時はムゴーイと言います。
それから、おはようはゾウサンです。ジョーサンの発音の方が近いかもしれません。
広東語と北京語の違い
広東語と北京語の違いを以下の観点から説明します。
- 発音
- 文字
- 文法
- 語彙
それでは順番に解説します。
発音
広東語と北京語の発音にはいくつかの顕著な違いがあります。
- 声調数
北京語は4つの声調があるのに対し、広東語は6つ(または9つ)の声調がある - 子音
北京語には「zh, ch, sh, r」のような子音がありますが、広東語にはない - 母音
広東語には鼻母音があり、韻が「-m, -n, -p, -t」のように終わることがある
文字
文字の使用方法も広東語と北京語では異なります。
- 繁体字と簡体字
北京語は基本的に簡体字を使用するのに対し、広東語は繁体字を使用 - 字の表記
同じ意味の漢字でも、北京語と広東語では表記が異なる場合があります。
文法
文法構造にも違いがあります。
- 語順
北京語はSVO(主語-動詞-目的語)の語順ですが、広東語はVSO(動詞-主語-目的語)の語順になることが多い - 文末表現
北京語は「吗 (ma)」や「呢 (ne)」を使って文末表現を作りますが、広東語は「呀 (a)」や「啦 (la)」を使う
文法構造にも違いがあります。まず、語順について説明します。北京語はSVO(主語-動詞-目的語)の語順ですが、広東語はVSO(動詞-主語-目的語)の語順になることが多いです。例えば、「私はりんごを食べる」という文を北京語では「我吃苹果 (wǒ chī píngguǒ)」と表現しますが、広東語では「食我蘋果 (sihk ngóh pìnggwó)」と表現することがあります。
次に、文末表現の違いについて説明します。北京語は「吗 (ma)」や「呢 (ne)」を使って文末に疑問や強調を表現しますが、広東語では「呀 (a)」や「啦 (la)」を使います。例えば、「あなたは行くの?」という疑問文を北京語では「你去吗?(nǐ qù ma?)」と表現しますが、広東語では「你去呀?(néih heui a?)」と表現します。
このように、文法構造には語順や文末表現の違いがあり、北京語と広東語では文の組み立て方にさまざまな違いが見られます。
語彙
語彙にも広東語と北京語で異なる点が多く見られます。
- 北京語と広東語で全く異なる単語
北京語と広東語で全く異なる意味を持つ単語が多数あります。 - 共通語彙の発音の違い
同じ意味を持つ単語でも、北京語と広東語では発音が異なる場合があります。
どちらを学ぶべきか
北京語は中国で最も話されている言語であり、政治、経済、教育など様々な分野で使用されています。一方、広東語は香港やマカオで主に話されており、近年では東南アジアや北米の華僑コミュニティでも話されています。
どちらの言語を学ぶべきかは、あなたの興味や目標によって異なります。中国全土で話せるようになりたい場合は北京語を、香港やマカオ、東南アジアの華僑コミュニティと関わりたい場合は広東語を学ぶのが良いでしょう。
広東語と北京語の比較表
以下は、広東語と北京語の違いをまとめた表です。
項目 | 北京語 | 広東語 |
---|---|---|
声調数 | 4 | 6(または9) |
子音 | zh, ch, sh, r など | – |
母音 | – | 鼻母音あり、韻が -m, -n, -p, -t などで終わる |
文字 | 簡体字 | 繁体字(香港・マカオでは簡体字も使用) |
字の表記 | 独自 | 独自 |
語順 | SVO | VSOが多い |
文末表現 | 吗 (ma)、呢 (ne) | 呀 (a)、啦 (la) |
語彙 | 北京語と異なる単語多数 | 北京語と異なる単語多数、共通語彙の発音も異なる場合がある |
広東語の数字と声調をおさらい
広東語の数字と声調を覚えましょう。
数字の読み方
まず、数字は以下のように発音します。
- 一:ヤッ(yat1)
- 二:イー(yi6 )
- 三:サーム(saam1)
- 四:セイ(sei3)
- 五:ンムー(ng5)
- 六:ロッ(luk6)
- 七:チャッ(chat1)
- 八:バー(baat3)
- 九:ガウ(gau2)
- 十:サップ(sap6)
- 百:バー(baak3)
- 千: チン(chin1)
- 萬:マーン(maan6)
広東語は日本語の数字の発音と同じです。たとえば、180を「ひゃくはちじゅう」と読むのと一緒で、広東語でも「ヤッバーバーサップ」と言います。簡単ですね。
声調とピンイン
広東語の声調は9つありますが、6つに絞って表記していることもあります。
そして、この声調をローマ字に数字などをつけてピンインとして発音を区別します。
ピンインには以下のようなものがあります。
- イエール粤語ピンイン
- 香港語言学学会粤語ピンイン方案(粤拼)
- 教育学院ピンイン方案
- シドニー・ラウ ピンイン
- 広州話ピンイン方案
ピンインによっては、声調を少し省略して書いてあるものもあります。
シドニー・ラウピンインが中国人向けであったり、香港語言学学会粤語ピンイン方案(粤拼)が広東省教育行政部門が公布していたりします。
それぞれテキストによって、ピンインが違うので学習者としては戸惑うところです。
日本で学習するならばイェール式のピンインがわかりやすい上に、テキスト等でも採用されていると思います。
広東語の勉強方法
筆者の広東語歴
ボクのこの記事を執筆している時点での広東語学習歴というのは、大体3年くらいです。
教室に通っていたのは1年くらいです。でも語学学校ではありません。
こんな感じのつたない広東語を喋ります。
ボクの大学には広東語の暮らすがあって、そこで広東語を履修していたという感じです。クラスは週に1回90分クラスで、香港人の先生が学生たちに広東語を教えるというものでした。
それからあとは独学で学んでいます。仕事でたまに使うことはありますが、たまに思い出したように教材を開いて練習するという感じです。
広東語の勉強におすすめの本
それでは使っていた教材をご紹介します。紹介する教材のレベルは初心者で広東語をマスターしたいと考えている人向けです。使用すると大体英語で言うとこの中学生レベルが身に付きます。本当に簡単な文法や言い回しが分かるので生活はなんとかできるレベルですね。
ニューエクスプレス広東語
- メリット:解説が詳しい
- デメリット:デザインが見にくい
まず、1つ目にニューエクスプレス広東語です。コレはボクが広東語の授業を受けていたときの教科書でもあります。本当に広東語を1から学べます。この教科書は広東語を学ぼうと思ったときに必ず候補に挙がるテキストです。
初心者にとってマスターしなければならない、声調が6個あるわけですが、この発音をしっかりと学ぶことができます。
本書の構成は、会話の本文と文法解説、時折練習問題を織り交ぜたものになっています。この本の特徴として感じたのは、とても文法の解説が詳しいです。他の入門書だと、読みやすさ重視でふんわり文法を解説して終わるというのが一般的ですがしっかりと解説してくれている気がします。
一方のデメリットはその逆ですね。パッとみた時に「教科書」という感じが否めないので勉強が嫌いな人にとってはアレルギーを感じてしまう作りになっています。
これは、他のニューエクスプレスシリーズにも言えることですが、本文のデザインも単調なので読み進めるのが飽きて挫折してしまう可能性はあると思います。これを楽しめそうかどうかがポイントですね。
ゼロから話せる広東語
- メリット:デザインが見やすい
- デメリット:解説が薄い
続いて、ゼロから始める広東語です。こちらのテキストはニューエクスプレス広東語と違ってデザインがスッと頭に入って来やすいため感覚的に広東語を覚えることができます。教科書感もあちらに比べて少ないため、拒絶感を示すことは少ないでしょう。
構成は会話の本文があって、文法の解説という感じです。ポップな感じで進むので、文法も覚えやすいです。色使いもいいですね。ただし、ニューエクスプレス広東語に比べて解説や文法項目が少ないような気がします。
もちろん、ゼロから始める広東語の内容や構成に問題があるというのではなく、1冊マスターするだけでかなりの広東語力が身につきます。ただ、前者と比べればということです。
結論:両方買うべき
では、どちらを買えば1番なのかというと両方買うべきです。自分は両方所持しています。両方やることで相乗効果があるように思えます。片方でやったところをもう一度片方でやれば復習にもなるし、よいのではないかと思いました。
実際に当然内容がかぶっていた部分もありますが、それはそれで違った角度からの解説だったのでより一層理解が深まった気がします。
ちなみに基本的な文法は覚えたから単語力をもっと鍛えたいという人はこの本がおすすめです。
広東語の翻訳サイトが発音確認できて便利
広東語学習者がよく使う翻訳サイトには以下のようなものがあります。
- オンライン広東語翻訳 – JCanExpress
辞書と一緒なので単語調べにも便利 - Bing Microsoft Translator
安定のマイクロソフトで精度が高め - Tradukka
言語学習者向けで質問なども可能
「オンライン広東語翻訳 – JCanExpress」がもっとも辞書で言い方を調べている感覚に近いです。また、長文の入力がしにくいです。
そして、「Bing Microsoft Translator」はMicrosoftの高い技術を使って翻訳ができます。
それから「Tradukka」は言語のオンラインプラットフォームで、言語学習ツールの一部として翻訳も存在します。
ちなみに、Googleで翻訳と発音の確認はまだできません。
まとめ
今回は広東語を学習するならこの教材が1番よいということで、3冊の本をご紹介しました。広東語の教材は少なめですが、初心者でも取っつきやすいテキストはやっぱりこれらです。
ぜひ、参考にしてみてください。
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