本を電子書籍化することが流行っています。
自宅にある本って場所をとりますし、よいことはありませんよね。外出する際にも本を持ち歩くとすると、カバンに大きな負担になります。
一方で、最近はメルカリなどで「裁断済み」と書いてある本が売られていることもよくありますよね。
そこで今回は、裁断済みとは一体何なのか、本を電子書籍に変える方法などを詳しく解説します。
裁断済みとは?
本の「裁断済み」とは、本の綴じ部分を切り離してバラバラの状態にしたものです。この状態にする理由は主に2つあります。
- 電子書籍化するため
- 古本として再度販売するため
メルカリでは電子書籍化が行われた後に必要ではなくなったので、出品されているケースが多いです。
それでは、これらの理由と注意点を詳しく説明します。
電子書籍化するため
本を裁断する一つの理由は、電子書籍化するためです。
裁断した書籍をスキャナーで読み込むことで、電子書籍として保存することができます。電子書籍はデジタルデータであるため、特定のキーワードやフレーズを簡単に検索できます。
持ち運びが便利
電子書籍化することで、書籍をデバイスに保存できるため、物理的なスペースを取らずに持ち運びが非常に便利になります。
古本として再度販売するため
電子書籍化した後の本を古本として販売するためです。
裁断済み古本は、通常の古本よりも安く販売されることが多く、購入者にとっては経済的なメリットがあります。
一方で販売者は、本を少なからず買い取ってくれる人もいるので、お金を手に入れられます。
しかし、販売者にとっては以下のようなデメリットがあります。
価値が下がる
裁断済みの本は、元の状態ではないため価値が下がります。そのため、通常の古本よりも安価で販売されることが一般的です。
元の状態に簡単に戻せない
裁断した書籍は、一度バラバラにした後では元の綴じられた状態に簡単に戻すことができません。
【なぜ?違法?】メルカリで裁断済みの本が出品されている理由
メルカリで裁断済みの本が出品されているのは、すでに本を電子化してしまって紙の本がいらなくなったからです。
裁断済みの本を売るのは著作権的にはOK
裁断済みの本をメルカリで販売することは、違法ではないかという声がありますが、こちらに関しては、ITコンサルタントで弁理士の栗原潔によると、違法ではないと言われています。
本を電子化して、電子化したデータを転売したら著作権的に問題がありますが、一方で元の紙媒体をバラバラにしようがどうしようが、著作権の持ち主はコントロールできないと言われています。
裁断済みの本や漫画を買ってしまった場合の対処法
裁断済みの本や漫画を買ってしまった場合の対処法は以下の通りです。
- 返品を行えるか確認する
- 復元を行う
間違えて裁断済みの本や漫画を購入してしまった場合、落ち着いて状況を確認し、適切な対応を取ることが重要です。返品が可能かどうかの確認や、場合によっては復元を試みることで、損失を最小限に抑えることができます。
それでは、それぞれの対処法について詳しく説明していきます。
返品を行えるか確認する
裁断済みの本や漫画を購入してしまった場合、まずは返品が可能かどうかを確認します。
商品説明を再びよく確認する
購入時に商品説明を十分に確認したか、もう一度見直してください。
出品ページに「裁断済み」といった表記があれば、返品は難しい可能性があります。しかし、そうした表記がない場合、出品者に非があるため返品を要求できます。 写真や説明文が不十分で裁断の状態が明記されていない場合には、購入サイトのカスタマーサポートに相談することも検討しましょう。
また、証拠として商品の写真を保存しておくことも忘れずに行ってください。
復元を行う
返品が難しい場合は、自力で復元を試みることも可能です。本や漫画の復元は手間がかかるものの、適切な方法を取ればある程度元に戻すことができます。
以下で詳しく解説します。
裁断済みの本を復元して製本する方法
裁断済みの本を復元するには、背表紙をつければいいだけです。一般的な製本のプロセスを踏みましょう。
用意するものは3つです。
- 裁断済みの本
- 製本カバー
- とじ太くん
まずは、裁断されている本を製本カバーに挟みます。
そして、製本キットである「とじ太くん」に本を入れて熱しましょう。
その後取り出して冷ませば本の復元ができています。
裁断済みの本をスキャンするにはどうしたらいい?コンビニでできる?
スキャンの方法には、コンビニを利用する手軽な方法から、スキャナーを使った本格的な方法まで選択肢があります。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
- コンビニで行う
- 機器をレンタルでスキャンする
- 自宅でスキャナーを使って行う
それでは、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
コンビニで行う
コンビニでスキャンを行う方法は、手軽に利用できるのが最大のメリットです。
ただし、裁断済みの本を一度に大量に読み込むことは難しいため、時間がかかる点に注意が必要です。
本のページ数が少ない場合、10枚程度であれば現実的でしょう。
手順
- マルチコピー機のスキャン機能を選択
コンビニのマルチコピー機で「スキャン」を選びます。 - 1枚ずつ原稿をセット
原稿を一枚ずつスキャンしていきます。ページが飛ばないように順番を意識しましょう。 - USBメモリやクラウドストレージに保存
スキャンしたデータをUSBメモリやクラウドストレージに保存します。保存先を忘れないよう注意してください。
自宅でスキャナーを使って行う
自宅でスキャナーを使う方法は、スキャンに慣れてくると効率的に作業が進められるのが特徴です。
ただし、スキャナーや裁断機を購入する初期費用が発生します。
具体的には、以下のような機材が必要です。
- とじ太くん
- クッキングシート
- ディスクカッター
- ScanSnap
詳しいやり方は下の方に書いてあります。
機器をレンタルでスキャンする
裁断機やスキャナーを購入するスペースや予算がない場合、レンタルサービスを利用する方法がおすすめです。
DMMのいろいろレンタルがおすすめ
裁断機は重たいし場所を取るので、必要な時にだけ利用できるレンタルサービスがおすすめです。
DMMのいろいろレンタルであれば、自炊に必要なセットを5,000円〜でレンタル可能です。
裁断機とスキャナをまとめてレンタルできるので、非常にお得です。
大掃除の時にだけ、これらのアイテムをレンタルして自炊化してしまうのもいいですね。
裁断されてない本を自炊して電子書籍化する方法
本を裁断してスキャンを行うことで電子書籍にすることができます。
以下のような機械や道具を使います。
- とじ太くん
- クッキングシート
- ディスクカッター
- ScanSnap
それでは順番とともに解説していきましょう。
とじ太くんで本を背表紙から切り離す
こちらがとじ太くんです。とじ太くんは製本機で、本来背表紙にのりをつけて熱することで本をくっつける役目があります。自炊する時は逆に使います。 すでに本についている、のりを温めて剥がすのです。
まず自炊したい本を用意して、クッキングシートに包みます。そして、表紙のカバーを外した上で、クッキングシートに包みます。そしてとじ太くん入れます。
実際にとじ太くんに本を入れて、1分ぐらい待てばピーという音がなります。 そうしたら本の背表紙からページを思い切り引き抜きます。
ねばっとした糊が絡みますが、簡単に取ることができます。
ディスクカッターで裁断済みの状態にする
そして、のりを取ったら今度は次の作業です。20枚ぐらいの束に分けて一つずつその束をディスクカッターにかけて切っていきます。
背表紙部分は全部カットしてプリントのようにペラペラの紙にします。
作業の際にゴミが出てしまうので、気をつけましょう。何冊か切り終わってまとめてゴミを片付けるのが1番です。
裁断済みのスキャンはScanSnapで行う
そしてそれが終わったら、いよいよScanSnapというスキャナで取り込んでいきます。やり方は簡単でパソコンにScanSnapのドライバーをインストールして、スーパーファインモードで取り込むだけです。
スキャナに紙をセットすると、自動で両面を読み取ってくれます。紙がなくなったらセットしてあげましょう。それだけで、自炊の本が簡単に出来上がります。
裁断しないで本を傷つけないで自炊する方法
傷をつけたくないという人もいるでしょう。そういった人におすすめなのが、ScanSnapの裁断なしで読み取り可能なスキャナーです。
新聞や雑誌といった大きめの書籍でも対応している上に、厚みがあったとしてもきちんと読み取ってくれます。
ちなみに、本を切り刻んだものでも、裁断済みの商品としてメルカリなどでも売ることができます。
意外にも買い手が付くのでびっくりです。同じようにスキャンして本を使おうと思っている人は、初めから裁断がしてあるのでスキャナで取り込むだけでいいので、そのニーズでしょう。逆に言えばメルカリで裁断済みの商品を探すと、自炊が楽になります。
まとめ
今回は電子書籍の自炊についてご紹介しました。電子書籍の方が便利なことが多いのが本音です。自炊してしまった方が、本も売ることができるし、どこでも持ち運びできるのでメリットが大きいです。ぜひ、みなさんもお試しになってみてはいかがですか。