私は日本と海外を行き来しながら、海外ノマドワーカーとして多拠点生活を行っている華山です。
生活拠点が固定されないぶん、持ち物は常に最適化され続けます。特に“服”は生活の大部分を占めるため、ここを整えるかどうかで旅の質が大きく変わります。
7kgの荷物で世界を移動するようになってから、服との向き合い方は「減らす」から「仕組みを整える」に変わりました。
この記事では、海外ノマド男性のリアルな視点から、何着持つべきか、どう選ぶべきか、どのブランドが信頼できるか、どう収納するかを総合的にまとめます。
ミニマリスト男性は服を何着持つべきか?(服の数・基準・内訳)
ミニマリスト男性の平均枚数と、7kgノマドの最適解
一般的に、国内で暮らすミニマリスト男性の服の総数は20〜30着ほどに落ち着くと言われます。しかし海外ノマドは環境が違います。ホテルやゲストハウスのランドリーが当たり前に使え、毎日洗濯できるなら、服は「多く持つ必要がない」。
海外ノマド男性の最適な服の総数は10〜15着。私自身の経験でも、この範囲から逸脱することはほとんどありません。
理由はシンプルです。
- 速乾素材を選べば1〜2日で乾く
- 季節に合わせて服を所有する必要がない
- 旅と生活の服を一本化できる
- コーディネートを考える時間が減る
つまり、旅先という制約が“本当に必要な服”を浮き彫りにしてくれるのです。
服を減らす「基準」は色・素材・役割で判断する
服の数を決めるのは枚数ではありません。大切なのは、判断基準を揃えることです。
大きく以下の3つで仕分けするとよいでしょう。
① カラー
黒・ネイビー・グレーのみがおすすめです。
写真写り・汚れ・組み合わせ・街との同化、このすべてが安定する三色です。
② 素材
速乾・軽量・防臭はノマドにとって絶対条件です。
ホテルで夜に洗って翌朝乾くかどうかは行動の自由度を左右します。
③多機能
「街・移動・作業の3つで使えるか」。当てはまれば1軍、外れるなら2軍です。
この基準で選ぶと、自然と服は減り、残るのは“用途の重なり合った服”だけになります。
30代男性ミニマリストのリアルなワードローブ内訳
20代の頃は流行りを追ったり、色の幅を持たせたり、所有の満足を求めがちです。しかし30代になると、旅の疲れや仕事効率といった“生活の質”を重視し、それに合わせてワードローブも落ち着いてきます。
30代男性ミニマリストの鉄板構成はこんなイメージです。
- トップス:3〜4枚
- パンツ:1〜2本
- 軽量アウター:1枚
- インナー・下着:3セット
- 汎用性の高い小物:数点
派手さはないが、どの国でも浮かないこと。写真写りが綺麗なこと。移動中のストレスがないこと。旅と生活が両立するワードローブは、自然とこの形に収束します。
季節の違う国を移動するノマドの「最小構成」
海外ノマドは移動によって季節そのものを避けることができます。したがって「真冬の完全防寒装備」を持つ必要はありません。
気温差をレイヤリングで吸収する構成が最も合理的です。
- 10〜20℃:Tシャツ+軽量アウター
- 0〜10℃:インナーダウン+フリース
- 0℃以下:防風アウターを重ねる
この方が圧倒的に軽く、汎用性が高く、収納もコンパクトになります。
着倒す・買い替える・制服化——ミニマリストの運用ルール
ミニマリストは「同じ服を長く着る人」と誤解されがちですが、実際は逆です。服は消耗品として扱います。
- 毎日着る
- 傷んだら迷わず買い替える
- 似たアイテムでローテーションする
制服化も同じで、毎日同じような服を着るほど思考と管理コストが減り、旅の自由度が増します。
実際に持ち歩いている服一覧(リアルな7kgノマドワードローブ)
ここからは、僕が実際に7kg前後の荷物で海外を回るときに持ち歩いている「服の中身」をそのまま公開します。
ブランド名だけを見るとかなりバラバラですが、共通しているのは 「旅と日常を両立できること」「軽くてタフで、きれいめにも振れること」 の2つです。
- ボトムス:ロングパンツ1本+ショートパンツ1本
- シャツ:機能性シャツ3枚
- アウター:軽量インナーダウン1枚+パッカブルコート1枚+ベスト1枚
- インナー:ボクサーパンツ3枚
- ソックス:メリノウール靴下3足
このくらいの点数に収まっていれば、季節の違う国を移動しながらでも、ビデオ会議・街歩き・観光・フライトまで一通りカバーできます。
ボトムス:水陸両用ショーツ+きれいめ軍パン
まずボトムスは2本だけです。これで「海・街・仕事」を全部まかなっています。
1本目は、itonamiの水陸両用ショートデニムパンツ。
裏地がメッシュになっていて、そのまま海やプールにも入れるし、タウンユースでも違和感がないデザインです。岡山県児島の伝統的なデニム技術が使われていて、ストレッチが効いて動きやすく、耐久性も高い一本です。
宿ではそのまま部屋着として使えるので、「水着」「ルームウェア」「街用ショーツ」を1枚にまとめているイメージですね。水陸両用の1枚で荷物を減らすのは、ミニマリストあるあるのテクニックだと思います。
2本目は、イギリス軍ロイヤルネイビーパンツ(前期型)。

1990〜2000年代にイギリス海軍の艦内用として支給されていたカーゴパンツで、ネイビーの太めシルエット。ただ、裾に向かって軽くテーパードしていて、一般的な軍パンよりもスラックス寄りのきれいめな印象です。
軍モノなので耐久性が高く、ポケットも多くて実用的。横ポケットやカーゴポケットにガジェットを突っ込んでそのまま出かけられるので、「作業着」「移動着」「簡易スラックス」を兼ねています。カジュアルすぎないので、ちょっとしたミーティングにもそのまま出られるのがポイントです。
ベルトは金属探知機に引っかからないナイロンベルト(自衛隊で使われていると言われるタイプ)を合わせています。保安検査で外さなくて済むので、地味ですがノマド目線ではかなり快適です。
アウター:軽量ダウン+パッカブルコート+多ポケットベスト
アウターは「重ねて使う前提」で3枚に絞っています。
まず軸になるのが、モンベルのプラズマ1000ダウンジャケット。

世界最高クラスの1000フィルパワーEXダウンを使っていて、メンズでも約130gという超軽量モデルです。ユニクロのライトダウン(650FP前後)と比べてもダウンの質が高く、羽織るだけでしっかり暖かいのに、バッグの中では“ほぼ空気”みたいな存在感です。
10度を切るくらいの肌寒い環境でも、これ1枚あるだけで体感温度がかなり変わります。風が強い日は上からシェルを重ねてインナーとして使うイメージです。
そのシェル側を担当するのが、モンベルの3in1トラベルコート。

旧モデルですが、現行のトラベルダウンコートに近いコンセプトで、平均重量は500g台。パッカブル仕様で、14×22cm程度まで圧縮できるので、バックパックの中でもそこまで圧迫感がありません。
コートとしてはかなり軽量な部類で、「街で着ても浮かない見た目」と「アウトドア寄りの機能性」のバランスが良いです。インナーダウンと組み合わせれば、0度前後のエリアでも耐えられます。
もう1つ、アウター兼収納として使っているのが、アッソブのシュリンクナイロンキャンプベスト3。

ショート丈で動きやすく、ナイロンをベースに要所にレザーや金属パーツが入ったデザイン。何より特徴的なのが、iPadやレシピブックが入るほどの超大型ポケットです。
バックパックに入りきらない物が出たときや、空港の保安検査で一時的にガジェットをまとめたいとき、このベストのポケットに全部突っ込めます。壁にかけておけば簡易クローゼットとしても機能するので、アウターであり、収納でもあるギア的な1枚として重宝しています。
トップス:機能性シャツ3枚で「暑い国」と「きれいめ」を両立
トップスは、長袖シャツ3枚をベースにローテーションしています。それぞれ役割が少しずつ違います。
1枚目は、山と道のショートスリーブバンブーシャツ。

ウールに似た吸湿・消臭性と、速乾性・耐久性を併せ持った素材で、メンズMサイズでも約160gと非常に軽量。
素肌に直接着ても不快感が少なく、日焼けもしにくいので、暑い地域での長時間の街歩きや移動に向いています。見た目はシンプルなので、そのままビジネス寄りのシーンにも流用できます。
2枚目は、AOKIのエアクールシャツ。

もともとは真夏の通勤用に設計されたビジネスシャツで、衣服内の熱を逃がしやすく、汗をかいてもベタつきにくい素材です。ノンアイロンのスーパーストレッチで、コットンの約5倍の速乾性があります。
着心地としては、かなり「ジャージ寄り」のビジネスシャツという印象で、ストレスなく動けるのが魅力です。スーツメーカーのシャツなので、きちんと感は担保しつつ、ノマド的には「暑い国でのオンラインミーティング用シャツ」として使っています。
3枚目は、ナンガのドットエアコンフィーシャツ。

ドット状の通気孔が開いたポリエステル100%素材“ドットエア”を使用していて、通気・吸汗・速乾・軽量性に優れています。素肌に着てもベタつきにくく、風が抜ける感覚があるので、真夏の東南アジアなどでも快適に過ごせます。
大きめの胸ポケットがあり、シワになりにくいので、旅行との相性が非常に良いシャツです。カジュアルすぎないデザインなので、カフェでの作業から軽い打ち合わせまでそのまま行けます。
インナーと靴下:ユニクロ+ダーンタフで「毎日洗う前提」
インナー周りはかなりシンプルで、ボクサーパンツ3枚・靴下3足に絞っています。
下着はユニクロのエアリズムボクサーパンツ(シームレス)を3枚。

摩擦が少なく、汗を吸ってすぐ乾くので、高温多湿のエリアでも不快感が少ないです。抗菌防臭・ストレッチ性も高く、履いていないような軽さ。ユニクロは海外にも店舗が多いので、旅先で痛んだものだけ入れ替える運用がしやすいのもポイントです。
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靴下は、ダーンタフのRUNシリーズを3足。

4分の1丈でクッション入り、メリノウール主体で吸湿速乾・防臭性能が高いモデルです。洗っても乾きやすく、摩耗に強く、生涯保証まで付いているので「靴下を買い続けるコスト」からほぼ解放されます。
価格は1足4,000円前後と決して安くありませんが、「最後の一足」として投資する価値のあるギア寄りの靴下だと思っています。
このワードローブで回せる生活の範囲
ここまでが、僕が実際に海外ノマド暮らしで持ち歩いている服の一覧です。
- 冷房が強いカフェ〜0度前後の街まで対応
- 海・プール・部屋着・街着を一部アイテムで兼用
- オンラインミーティングにもそのまま出られるきれいめ感
- 毎日洗濯してもすぐ乾く前提の素材選び
「7kgで暮らす」と聞くとストイックに聞こえますが、実際は役割が重なる服をあえて選んでいるだけです。枚数を減らしたというより、旅と生活を同じワードローブで回せるように設計した結果、この構成に落ち着きました。
ミニマリスト服の選び方(メンズ)──“旅して暮らす人”の基準
ノマド向け素材選び(速乾・軽量・耐久性)
海外ノマドは荷物を「移動資産」として扱います。その中で服は最も重量と体積を占める存在です。素材を誤ると旅の自由度が大きく低下します。
- 速乾:洗濯してすぐ着られる
- 軽量:バッグの負担を軽減
- 耐久:長期的に効率的
この三つを満たす服は、結果として枚数を減らせます。
黒・ネイビー・グレーだけでワードローブを組む理由
色数を減らすことには圧倒的なメリットがあります。
- コーディネートを考えなくてよい
- 写真写りが安定する
- 汚れが目立ちにくい
- どの街でも浮かない
東南アジア、中東、中央アジアなど文化圏が変わる旅では「無難な色」の恩恵は非常に大きいです。
ユニクロ・モンベルの使い分け
三者三様で役割が異なります。
- ユニクロ: ベースレイヤーと日常着
- モンベル: 軽さと実用のバランス
すべて同一ブランドで揃える必要はありません。「必要な部分だけ投資する」のが旅人の合理性です。
海外ノマドの「1軍服」と「2軍服」の違い
1軍は“毎日着たい服”。2軍は“なくても困らない服”。この境界線が引けるようになると、服は勝手に減っていきます。
買い替え頻度と、最低限の管理方法
ホテル暮らしでは大掛かりなケアは不要です。しわになりにくい服を選べば十分。
買い替え目安は次のとおりです。
- Tシャツ:半年
- パンツ:1〜2年
- アウター:2〜4年
