ロングステイ=お金持ちの特権? それは誤解です
ロングステイと聞くと、「それってリタイアしたお金持ちがやることでしょ?」と思われがちです。しかし実際には、国とスタイルさえ選べば、若い人でも十分に実現可能な暮らし方です。私自身もロングステイを続けていますが、特別な資産を持っていたわけではありません。
ロングステイが現実的な理由は、ひとえに生活コストが低い国が多いという点にあります。例えば、東南アジアの主要国では、月5万円〜15万円程度で十分な生活が可能です。日本で暮らすよりも、ずっとコスパの良い毎日を送れることに驚く人も多いでしょう。
月額コストの目安:5万円〜15万円のリアル
まず、結論から言えば以下が目安になります。
- 5万円以下:ドミトリーや相部屋、屋台中心の生活
- 10万円前後:個室滞在+ローカル食+適度な娯楽
- 15万円以上:都心部+快適な住環境+日本食やカフェを楽しむ
それでは、実体験に基づいて項目別にロングステイの費用内訳を紹介します。
1. 宿泊費:家賃は生活コストのカギ
ロングステイでもっとも大きな出費になるのが宿泊費です。ですが、国や地域、そして住まいのタイプによって大きく幅があります。
- ドミトリー(相部屋):1泊500〜800円、月1万5千円程度
- ローカルアパート(個室):月3万〜6万円
- エアビー利用(家具付き):月5万〜8万円
- コンドミニアム(プール・ジム付き):6万〜10万円
例えば、タイ・チェンマイでは月5万円で家具付きの快適な個室が見つかります。東京で同条件の物件を探そうと思えば、築古のワンルームでようやく実現する程度。「家賃の安さ」はロングステイ最大の恩恵です。
2. 食費:屋台とローカル食堂が味方
東南アジアでは、外食中心でも驚くほど安く済みます。
- 屋台飯:1食200〜300円
- ローカル食堂:1食300〜500円
- 日本食・西洋料理:1食800〜1500円
1日3食すべてローカル料理にすれば、月3万円以下も余裕です。ただし、日本食を頻繁に食べたり、お酒を飲んだりすると一気にコストは跳ね上がります。たとえば日本酒やワインは現地では高級品扱いなので注意が必要です。
3. 交通費:移動は安くて便利
都市によっては鉄道網が未発達なところもありますが、その代わり配車アプリ(Grabなど)が大活躍。
- 市内移動(バイクタクシー):80〜200円
- Grabなどの配車:200〜400円
- バス移動(長距離):200〜1000円台で隣県まで
月5000円も使わずに移動可能です。チェンマイやダナンなどは徒歩と自転車でも暮らせるサイズなので、交通費ゼロも夢ではありません。
4. 通信費:SIMカードで格安ネット生活
- 現地SIM(月5〜15GB):1000〜2000円
- eSIM:2000〜3000円程度(利便性高)
- Wi-Fi:多くのカフェや宿泊施設で無料
旅行者向けSIMよりも、現地で契約するプリペイドSIMのほうが割安です。都市部では通信速度も安定していて、仕事も問題なくこなせます。
5. ビザ費用:国によって大きく変わる
日本のパスポートは世界でも有数の“強パスポート”なので、多くの国にビザ無しで滞在できます。
- ビザ不要の例:タイ(45日)、マレーシア(90日)、ベトナム(45日)
- ビザ代がかかる例:カンボジア(30日で5,000円前後)、インドネシア(バリ島等で4,000円程度)
費用を抑えたいなら、まずはビザ不要の国からスタートするのが賢明です。
6. 娯楽・日用品・雑費:ストレスなく暮らすために
- カフェでのコーヒー1杯:150〜300円
- マッサージ(1時間):300〜800円
- 日用品・衣類:Tシャツ300円〜、洗剤100円〜
観光や趣味にお金を使いたい人は、余剰枠として2万〜3万円あると安心。ただ、節約生活でも十分楽しめるコンテンツが多いのが東南アジアの良さです。
7. 注意点:節約しすぎると逆に損することも
例えば「1泊500円」の格安宿。以下は、私自身も体験しました。
- クーラーが効かない(熱中症寸前)
- 虫が出て痒くて寝られない(治療費がかかる)
こうした「安かろう悪かろう」の罠にハマると、心身ともに疲弊し、結果的にコストが増えることも。メリハリある使い方が大切です。
8. 航空券と渡航コスト:ここも重要なコツ
- LCCを使えば往復3万円台も可能
- GoogleフライトやSkyscannerの通知機能を活用
- 自力で乗り換えルートを考えてみる
例:東京→チェンマイの直行は高いが、東京→台北→チェンマイの乗り継ぎで半額になることも。
9. お金の管理術:クレカ・ATM・デビットカード
- 海外ATM+デビットカード(Wiseなど)が便利
- 現金よりキャッシュレス中心が安心
- プライオリティパスがあれば空港ラウンジも利用可
手数料対策・紛失リスクの回避など、現地でもスマートにお金を扱う工夫があると安心です。
最後に:10万円で“心豊かな”暮らしができる
私自身、月10万円ほどでチェンマイにロングステイしながら、快適で健康的な日々を送っています。
東京で20万円かかっていた生活費が、半額以下で済み、しかもプール付きの家に住める。日常が「コスパの良いリゾート」に変わる感覚です。
高級な旅ではなく、気負わず自分らしい日常を異国で組み立てる——それがロングステイの魅力です。
まずは「思ったより安くいける」ことを、体感してみてください。